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不動産投資家の皆さまへ

売主瑕疵担保責任について

不動産購入には、大きな資金が必要になります。不動産投資に興味がある人であれば、より多くの資金を確保する必要があるでしょう。

しかし手に入れた不動産に欠陥があることがわかった場合、購入者は大きな損失を被ることになります。

そこで、不動産売買における消費者保護の観点から売主瑕疵担保責任が民法で定められています。

2005年に起きた耐震強度偽装事件では、売主が建築士と共謀し構造計算書を偽装して、耐震性能を偽って販売したことから大きな社会事件になりました。この時に売主瑕疵担保責任がクローズアップされ、世間に知られるようになりました。

売主瑕疵担保責任とは、不動産売買において物件に欠陥があり、取引の時点で知り得なかった場合、売主が負わなければならない責任のことを指しています。

民法では、売主瑕疵担保責任が問えるのは不動産購入後1年以内と定められています。つまり不動産取得後1年以内であれば、損害賠償請求ができるということです。

例えば新築物件を購入し、購入時点で住宅の欠陥が見つからなかったものの、数か月後に漏水が発生し、不動産の一部が破損してしまった場合、それが建物の構造上の欠陥で買主の責任によるものでなければ、損害賠償を請求することができます。

また、修理不能な場合については契約そのものを解除することができます。

さらに新築の不動産物件については、平成12年に施行された住宅の品質確保の促進等に関する法律により、引き渡し後10年間は売主瑕疵担保責任が問えるようになりました。

耐震偽造事件により、瑕疵担保責任をより明確にする必要性が出たためです。この法律は新築の不動産物件に対してのみ適用されるため、中古物件に関しては免責となっています。

中古物件の場合、構造の劣化などをすべて把握しておくことは難しく、現状を調査した段階で販売することになるためです。

しかし、民法で定められている売主瑕疵担保責任は中古物件にも適用されるため、1年以内の事故については補償対象となる場合があります。

売主瑕疵担保責任を免除する契約は有効か?

ここで時折問題になるのが、契約時に売主瑕疵担保責任の免除を条件に売買するケースです。

この場合、売主瑕疵担保責任は問われないため、不動産取得後については買主がすべての責任を負うことになります。

但し売主が不動産の瑕疵について気付いていたか、気付くのが妥当と判断される場合には、売主瑕疵担保責任免除の約定は無効化される場合があります。この場合は極力法廷闘争に持ち込まないようにするため、和解が勧められるケースが多く見られます。

瑕疵担保保険とは?

2006年に日本を震撼させた構造計画書偽造問題により、不動産物件に対する信頼性が大きく崩れることになりました。事件の発端になったのは建築士による構造計画書の偽装行為でした。

その後、この設計士が手掛けた不動産物件の耐震偽造が次々と明らかになり、物件の販売元が瑕疵担保責任を問われる結果になりました。しかし販売元は瑕疵担保責任による補償をすることができず、倒産に追い込まれました。

この事件では、物件の購入者が建て替えに伴う費用と、既に契約した住宅ローンの二重債務を負うことになり、大きな社会問題となりました。

この瑕疵担保責任とは、不動産物件に確認できない瑕疵が見つかった場合に、売主が保証する責任のことを指しています。

不動産物件の瑕疵を見つけるのは、簡単なことではありません。

新築物件であっても、施工上のミスなどにより瑕疵が発生する可能性は十分にあり、仮に瑕疵があることがわかっても、10年が経過した物件については責任が免責になってしまうというリスクもあります。

不動産投資家にとって、投資物件の瑕疵は投資そのものに影響を与えるだけでなく、大きな損失を被る可能性もあります。

できればこのようなリスクは負いたくないものです。そこで瑕疵担保責任に関するリスク回避に役立つのが、瑕疵担保責任保険です。

瑕疵担保責任保険とは、仮に物件に瑕疵が見つかった場合に、補修を実施した業者に対して保険金が支払われる制度のことを指しています。

瑕疵担保責任保険は不動産物件の事業者が加入することになり、物件の引き渡しの際にオーナーに対して保険に関する書類が交付されます。

不動産投資物件の契約を結ぶ際には、対象物件が瑕疵担保責任保険の補償対象となっているかどうかを確認するようにしてください。補償内容についての条項も確認することが大切です。

また、不動産物件の建設会社が倒産してしまった場合、瑕疵担保責任を問うことができるのだろうかと思うかもしれません。

もし対象物件が瑕疵担保責任保険に加入している場合には、保険を提供する保証機構に対して保険金の請求を行なうことができます。

瑕疵担保保険でリスク回避を。

不動産物件を購入する際に多少費用がかかるとしても、瑕疵担保責任保険に加入済みの物件を購入することで、リスクを回避することができます。また、入居者に対しても安心を提供することができるため、加入済みの物件を購入する価値は高いと言えるでしょう。

ちなみに、現在の新築物件はすべて保険に加入することが義務付けられています。

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